ギュッと五臓六腑

結婚記念日だったのでハンドメイドの財布をあげた

結婚2周年記念日です。サプライズで旦那にハンドメイドの財布をあげた。

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ででーん。

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こういうのはラッピングが一番楽しくて写真いっぱい撮ってた。まずは箱に緩衝材みたいなやつをセットします。

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ひっ もじゃもじゃおばけ!(入りきらん)

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悪霊退散の気持ちを込めて潰す。ぎゅっぎゅっ。

想定していたよりも横幅ぴったりで肝を冷やす。

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ぱたり。

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外装用のペーパーが明らかに尺足りない。

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大人になるっていうのはね、妥協ができるようになるってことなんだよ。なんかおいしいお菓子入ってそうな外見になったけどよろしかろう。

一緒に暮らしてる相手にサプライズを企画するの、ふとした瞬間に虚無感(『なぜ通常の生活リズムを崩してまでこそこそしなければいけないのか?』)が襲ってくることを学んだ。これ書いてる時点ではまだ渡してないので油断はできない。

* * *

旦那さんの今の財布、確か10年くらい使われてて、いわゆる≪バリバリ財布≫で、しかもビーバーの巣作りかよってくらいに無駄にレシートとか映画の半券とかをためこむ人なのでそれはもう常にふっくらぱんぱんなのである。まあ財布、大事なのは中身だし、別にいいけどさぁでもさぁ……で指摘して新しいのを探すけどお眼鏡にかなうものがない→「じゃあつくって」と言われる。レザークラフトの道具も買ってくれる。きゃっきゃっ。

それが少なくとも結婚前の話だから2年以上前。ひとまず経験値を稼がせてくれと言い訳してキーカバーやらiPhoneケースやら肩掛けカバンやらをつくりうだうだうだ結局去年の5月あたりから構想2か月、PDFに起こした型紙データはどうやら去年の9月下旬が最終更新日、で、つい最近完成したので、革を切ったり貼ったり縫ったりに1年かけてたことになる。はは。かかりすぎ。あと時間かけたにしては仕上がりに満足できてないし、とにかく技術が足りなくて歯がゆい。

敗因、2点あって、旦那から「薄いのがいい」と要望があったから薄さにだけ注力して柔らかい革を選んでしまったことと、ファスナーを扱うのが初めてだったこと。≪クロムなめし≫といって、柔らかいってだけで私の持ってる技術があれもこれも通用しなくて手こずる手こずる……。そのせいもあってファスナーの縫い線ががたがたになって、開け閉めが苦労する感じに仕上がってしまった。地元で馴染みのレザークラフト用品店のお姉さんに、こう、周囲をぐるっとファスナーで囲む財布を作りたくてね、って相談した時の、彼女の「それは鬼門だね」という一言と神妙な面持ちが妙に印象に残ってたけどそういうことかと膝を打つ。調べたら柔らかい革もファスナーも初心者向きじゃないとのことで私の心がめげるめげる……。

完成させたはいいけど使い心地が悪そうで申し訳なさがある。

でもあらゆる創作は完璧じゃなくていい。もしかしたらそれを受け取る誰かが喜んでくれるかもしれない。創作とは、そういう小さな可能性に賭けて行われるものなのだ。ってエルトン・ジョンも『Your Song』で歌ってたでしょ。

I know it's not much but it's the best I can do
まだ十分じゃないとはわかっているけれど これが僕にできる精一杯

My gift is my song and this one's for you
僕からの贈り物はこの歌で そしてこれは誰のためでもなく君のためのものだ

And you can tell everybody this is your song
君の歌なのだと皆に言ってくれていい

It may be quite simple but now that it's done
シンプルすぎるかもしれないけれど もう出来上がってしまった

I hope you don't mind that I put down in words
僕が書き下ろした言葉だということも気にしないでほしい

How wonderful life is while you're in the world
君のいる世界ってやつはなんて素晴らしいんだろうって言いたかったんだ

ね。歌ってたでしょ。

ファスナーを縫ってる時、イライラしてあーもうだめだーってなったけど、一旦この曲をレコードで聴いて元気を出したなぁ。針を止めて針を落として復活した。そんなふうに私の創作もいつか誰かを救えたらいい。次はもっといいものをつくるぞ、を繰り返すために筆や糸や針を手に取って机に向かう。