映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧』観て無事に電気グルーヴのファンになった
電気グルーヴのドキュメンタリ映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧』、こんなに楽しいドキュメンタリは初めてで、一日経った今も余韻がずっと残ってる。
ドキュメンタリというのは限りなく真面目に史実を語ることに注力されたもので、ともすれば抑揚のないナレーション付きの資料スライドショーになりがちで、相当の好奇心を持たない視聴者は退屈に……という印象を多くの人が持っているだろうし、違わず私もそうで、心配していたのだけど杞憂だった。この映画は紛れもなくエンターテイメント!
電気グルーヴ関係者のインタビュイーは茶目っ気たっぷりな本音を暴露してくれるし、石野卓球とピエール瀧の下ネタのやりとりをピー音無しで流してくれるし、ちゃんと笑いどころが計算されている。ポップで下品で、でも一緒に踊らざるをえないという電気グルーヴらしい魅力を余すことなく伝えてくれる。
画面の見せ方もうまくて、例えば、アルバムアートの紹介時の背景がそれに関連した/連続した絵柄にされていることとか、ギリギリうるさくないスムーズな画面切り替えエフェクトとか。ドキュメンタリ特有のお堅い感じを排除するような。
電気グルーヴについての認識は「ピエール瀧がいるテクノ?グループ?バンド?」「ピエール瀧は映画『凶悪』のヤクザ役がめちゃくちゃ怖かった」ぐらいで、つまり予備知識(ほぼ)皆無でこの映画に臨んだのだけど、おかげで退屈することなく観賞できて、もう長年のファンでしたってくらいの親しみを彼らに抱くことになる。
ヒット曲『Shangri-La』について。
映画でも、制作側の「これやばいんじゃねえの?売れるんじゃねえの?」という目に見えない熱量を表現しようと解説に結構な時間が割かれていて、元来のファンの人はリリース時期的にもそろそろあの曲のことだろうなと予想をつけられたのだと思うけど、私はその時まりんさんのインタビューにぼーっとのめりこんでいたら『Shangri-La』のMVが流されてサビに至った瞬間にああこれ聴いたことある!、電気グルーヴの曲だったんだ!?と衝撃を受けた。本当に予備知識皆無だった。
ラストの『N.O.』に(これはとても陳腐な言い回しなんですが)泣いてしまった。