親にも兄にももっとうまく生きてほしかった。苦しいならば逃げてほしかった。嫌ならば拒んでほしかった。仕事、生活、家族関係を含む人間関係、あらゆることを気軽に拾ったり捨てたりしてほしかった。ひたむきさは必ずしも善ではないのだと気づいてほしかった。自分の理想と世界のありかたの違いに刃向かわずに納得して身を引いてほしかった。とにかく楽になってほしかった。私がこの家に火をつければそれで丸ごと解決する気がしていた。不完全な家族に納得できない私ごと消えてしまうことが世界のためになると思ったのでした。

実家でどう振る舞えばいいのかわからない。あの頃と同じように父と母と兄の仲を取り持とうとすればいいのか。それがうまくできなくて悲しかったなぁ。あの人たちに対して私ができること本当に何もなかったなぁ。ずっと一緒に暮らしてきたんだから、私ならあの人たちになにかいいものを与えられると思ってたのになぁ。

父親が言った「こんな娘より言うことをきく犬の方がよっぽど可愛い」がずっと忘れられない。私が父親の言う通りにちゃんと動いていれば、父親はニコニコで母親に当たり散らすこともなくて機嫌のいい母親に兄たちもニコニコだった?全部私が悪かった?まだその可能性が捨てきれない。こんなの一生捨てきれない類の後悔だ。父も母も兄もきっと私より先に死ぬのに、私だけが、選ばれなかったチケットに憧れ続ける。

私が幸せになることが一番の親孝行だよってみんな言うけど、父親も母親もそもそも私に結婚なんてさせずに一緒に暮らしていてほしかったのではないのか?それを断る権利が果たして私にあったのだろうか?育てられた恩ってやつはどこまで有効なのだろう?