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7月に観た映画たち『世界で一番悪い奴ら』『DOPE/ドープ!!』『帰ってきたヒトラー』

世界で一番悪い奴ら

めちゃくちゃ面白かった!!!トラウマ映画『凶悪』の監督だって聞いてたからウワ~また観た後げっそりして寝込むやつや~と薄目で観なきゃいけないことを覚悟してたんだけど今回は3分に1回笑いを入れてくれてて助かった……!『凶悪』はもうシリアスすぎて一周回って笑うしかないやつで、口角上げるたびに人間としてなにか大事なものが削られていくって感じだったけど、ライムスター宇多丸さんがラジオで言ってたように「今回はマジのエンターテイメント作品です」。警察関係者の中で唯一まともであるが故に振り回されてあんぐりしっぱなしの"次長"も、罪を犯しながらも純粋にニコニコしてる太郎も、名前忘れたけどあの陽気なパキスタン人も、とにかくキャラが全員立っててかわいいと思えた。ピエール瀧は『凶悪』の時と変わらずそういう役がお手の物なのね……。そして主演の綾野剛、彼に対してはちょっと綺麗な清竜人じゃん?ってバカにしてたとこあったけど演技力に脱帽であった。警察になって頭角をあらわし始めた頃のチンピラスタイルが絶妙に似合ってない感じとか、それが徐々に様になっていってタバコ片手に闊歩する感じとか、癇癪起こして物に当たる感じとか、リアリティがすごかった。銃器対策室のエロ女の綾野剛への誘い方が斬新で良かった。あんなエロい囁き職場でされてたまるかよ……。

DOPE/ドープ!!

90年代HIPHOPがどうたら、というキャッチコピーに魅せられて主人公マルコムがラッパーとしてマイク一本でステージに立つのかと勝手に思ってたけどその実ゲットーが根本テーマの90年代HIPHOP好きな少年マルコムのサクセス(かどうかは個人の価値観によりそうな)ストーリーだったのでちょっと肩透かしをくらった気分ある。でも初めから終わりまで明るく描かれて楽しかった!ゲットーについて、もうそういう地域があることはみんなわかってるし、観客を怖がらせる描写は無駄だよねぇ、と思うけどこれは多分私がアンダーグラウンドな映画を観過ぎてしまって陰鬱さに食傷気味なのだと思う。マルコムの仲間の、身体は男・心は女のディギーがいつでも正しくて可愛かった。特に彼女の繰り出すビンタは清々しくて最高。BGMに合わせて話がトントン進む表現、退屈しなくてよい……。ゲットーが舞台だしBGMだけでもゴリゴリのHIPHOP、それこそN.W.A.のとかかかるかと思ったらそうでもなくてなかなかポップだったなぁ。劇中歌でありエンディング曲でもあるマルコムのバンド曲、ファレル・ウィリアムスが作った『Can’t Bring Me Down』、これまたHIPHOPというよりはロックっぽいけど良かった。もしかしてBGM、ずっと歌詞ありの楽曲で構成されてたのかしら。あと、これは完全に私事なのだけれど、鑑賞日の前日の飲み会で茨城の中学校における文化「学校指定以外の靴を履いてくると先輩ヤンキーたちに強奪される」、通称『ナイキ狩り』の話を聞いたところだったので劇中でナイキ狩りが出てきた時タイムリーすぎて笑ってしまった。

帰ってきたヒトラー

久しぶりのコメディだ~という解放感あふれる状態で見てしまったせいで終盤の展開に白けてしまった。題材が題材だからもちろんそういう展開になることは予想できたけど、でもさでもさ、予想に反してハッピーで終わらせることってできなかったのかな~~~。できないかー。そもそもギャグが通じるような人格じゃないもんねえ、と思ってるけど実際どうだったんだろう?あの時代には、人とか動物を殺してのゲラゲラじゃない、小粋なジョークとかの笑いはなかったんだろうか。その笑いの種類ってやつの線引きだってとてつもなく曖昧だから区別はできないものなのだとは思うけど、とにかくなにかあの時代にも救いがなかったのかなぁとやるせない気分になった。結局こういう暗い話になっちゃうしどうせならもう少し非現実的でもいいからハッピーエンドがよかったなあ。ぐちぐち。直前ではあったけどWikipediaヒトラーのページ流し見ておいてよかった、やはりヒトラーについての知識ある方が楽しめる映画だった。それでもヒトラー式のあの敬礼は知らなかったから前もって動画でも見ておけばよかったかなぁ。