清竜人25

清竜人25解散ラストコンサートに行って伝説を見たぞ、なんだあれは、なんだあのラストソングは、25は竜人くんから出でて竜人くんの中に還っていったのだ、元々竜人くんの中にあったものだったのだ、あのラストソングをつくった頃から25解散の今まで、竜人くんの真ん中に通った芯みたいなものは何も変わらずそこにあったのだ、愛はいろんな形で語られるのだ、その形のひとつがあの歌だったり、25という嘘の物語だったりしただけなのだ、壮大な愛のプロモーションビデオだったのだ。

季節外れの気まぐれな風のようにいつかどこか旅立っても忘れないで
ならば俺はいつだって子どものように君に鼓動ただ伝えるよ

清竜人25「どうしようもないよ…」

 

プロジェクト『清竜人25』の発表時、竜人くんのソロ時代からのファン、いわゆる“古参”は少なからず戸惑った。
彼の音楽性を好いていたファンは「もうアイドルソングしかつくらなくなるのか」とがっかりした。
彼の男性性を好いていたファンは「公式で女とイチャつくなんて」と憤った。それも仕方ない。だってデビュー当初の竜人くんったら儚くて夢うつつで、目の前に人間がいてもそれを透かして向こう側に宇宙を見てるみたいなとっても不思議な瞳をしていたものね、あの透明感ったら!

 

元々音楽性もファッションもゆらぎの頻度と幅が大きいアーティストだったから、25を許せるファンは許したし、許せないファンは離れていった。
ソロ名義で出したアルバムは6枚だったけど、1、2、3枚目ではアコースティックとポップの間を行きつ戻りつしていたところに、4枚目『MUSIC』で突然ミュージカルテイストになったし、5枚目『KIYOSHI RYUJIN』でアコースティックに戻るフリして公共電波に乗せられないようなエグい内容の歌詞を書いてきていた。
4枚目と5枚目でデビュー当初からのファンを容赦なくふるいにかけたところでの25の発表だったから、私は正直めちゃくちゃ不安だった。これがコケたら竜人くん本当に仕事なくなってしまうんじゃないの?

 

まあその不安は「Will you Marry Me?」を聴いて即なくなったのだけど。今でも25の楽曲を代表するのはこの曲だと思うなぁ、悩める女の子を無条件にまるごとすくいあげてくれるような幸福な曲でしょう?


清 竜人25「Will♡You♡Marry♡Me?」Music Video


25のラストコンサート、竜人くんがあんなに長時間しゃべるのを初めて見て笑ってしまった。
ソロ時代のコンサートでは、ピアノを前に呼吸を整える、世界に対するタイミングを見計らうみたいな数分間と、最後にぺこりと頭を下げる「ありがとうございました」だけが、唯一の彼の精一杯のMCだったから。

 

気分屋な人なので今動いているプロジェクト『TOWN』もいつ終わってもおかしくない。
昨日発表されたばかりの4年ぶりの弾き語りツアーは無口な竜人くんの再来なのかしら、久しぶりに竜人くんの歌を生で聴いて、良くも悪くも音源とクオリティ自体はそんなに変わらないなと思ってしまったけど、ライブで聴く「痛いよ」「ボーイ・アンド・ガール・ラヴソング」「ぼくはバイセクシャル」「All my Life」あたりの現人神かよという破壊力は凄まじかったからまた体験したいな。

『たのしい』 by #トウキョウトガリネズミ を聴いて好きなラッパーを見つけてね

キミの好きなラッパーはだれかな?

『トウキョウトガリネズミ』というレーベルのマイクリレーを聴いてくれ。

ほら、無知で怖がりな君のために聴きどころ・MVの見どころも書いておいたぞ。

MC松島

始まってる世界征服までのカウントダウン 3 2 1

一時期は吉田沙保里のラップばっかり作ってた。レーベル創設者。手がでかい。眉の下がり具合。個人的に彼の顔ファンなので顔ばっか見てる。

KBM

博多のKBMのお通りよ
寝てる場合じゃないってほら起きろ!

なんかすごい声してない?高音のダミ声みたいな?インフルエンザで発熱してるときには聴きたくないけど元気なときに聴きたい声してる。MVのとき光の加減もあるのか知らんが頬がこけてて心配。

ばっくら軒どどんぱ

俺は白いパンダをどれでも躊躇なく並べるマンだ

室内なのに着込みすぎ。寒がりなのかな。

LARGE IRON

1バース キックするだけで素敵な曲になる
これが俺たちの仕事さ

「要らないプライドにフタ!(ビシッ)」の聴こえないビシッがいい。実際に生で見たときのガタイの迫力がやばい。

22エモン

エブリデイ アウトプット 閃いた
イデア落とし込む オンザペーパー
楽しませること また計画

かわいい。これは天然で男をたぶらかす奴ですよ。リリックがTHE☆クリエイターという感じで、部屋に引きこもって作業するタイプの人間に響く。

赤谷翔次郎

よく言われます「あんたってバカね」って仕方ねぇ

すんごいエッチだそうです。舞台俳優さんなのかな、情報があまりない。

りえちゅっちゅ

超宇宙☆りえちゅっちゅ☆バカンス中!

顏出しNGなお姉さんなのかな、MVでも代役が立てられている気がする。『超宇宙』という名義でサウンドクラウドに曲を上げている模様。彼女の、女ッッッッって感じの声色で「いいでしょ?これからビーチに行くよ」って言ってるとこが大好き。

WhaleBeats

勝手につくるぜ いい空間

最初見たときにその背景はなんなんだ?、と思ったのですけど、生物大好きラッパーさんらしくて、特に名前の通りクジラがご趣味のようです。

doggydogg

将来由来の漢方薬

すごい声してない?生で見たときもこの声のまま「よう久しぶりじゃん!」って会話してて謎の感動に包まれた。シックなファッションでこの声だよ。

diz

アイツ飛ばしすぎ 交通アウト
ちゃんと守れよ 法定速度

私は人の顔を覚えられないたちなのでこの時点で最初のKBMさんと被ってしまう。

メガネ

出すぜ特大のベギラゴン
夜更かししちゃってオールナイト

メガネかけてるからメガネさんとのことです。コンタクトレンズは着けないのかな。男性ラッパーと feat. をしがちなのも納得の、なんというか、誰とでも相性のいい声してる。

Amateras

暗闇で見るイメージは金

高級住宅街・白金台に住む金持ちラッパーだそうです。金持ちなのは本当だけど Amateras というキャラを維持するため努力していて、その実は好青年だそうです。愛らしいですね。

SHIMPEI

なんだか楽しくなってきた
意味もなく楽しくなってきた

MVの「なんだか楽しくなってきた」の直後にめちゃくちゃ母性を刺激する破顔を見せてくれます。マジで。抱きしめたい。

マイクリレーへの愚痴

私は元来マイクリレーというものが苦手で、だってさぁ、あれなんか飽きない?
ラッパーってただでさえ声似てるのにわざわざ並んで代わる代わる歌われたらもうだめ。どれが誰だかわからない。えっ?このごつい声の人2人いるの?一緒じゃない?となる。

しかもマイクリレーって大人数が可能な限りでパートを奪い合う格好になってしまってhook(=曲のサビのこと)(ヒップホップ用語です)が無くて曲全体に抑揚がなかったり、全員のパートを余さず入れようと曲が長かったりして退屈なのだ。

ちなみにライブで思い入れのないマイクリレー曲を観ていると「あぁなんか沢山の怖い人たちがワチャワチャやってる……」と思う。

しかしこの『たのしい』は違う

男女混合!
声の変わった人がいて区別がつきやすい!
MVの各人のパートでいい意味で統一性がない!
曲が極端に長いということもない!

イヤホンからのオオオッオッオッオッ♪を聴きつつ歩き出すとMVのMC松島さんと自分がシンクロして渋谷のスクランブル交差点にいる気分になります。

この曲を収録したアルバムが出るよ

さて、そんな楽しい『たのしい』が収録された、レーベルコンピレーションアルバムが3月22日(水)に発売されます。レーベルの所属アーティストの楽曲が寄せ集められて17曲で1000円。えっ安い。赤字では?

f:id:yky_sokkou:20170319012429j:plain
V.A. - Tokyo Togari Sampler 002
togarinezumi.theshop.jp


発売に先駆けて収録曲のMVが何本か出ております。


SHIMPEI - How Are You Feeling (pro. MUDDY THUMB)



MC松島, メガネ & diz - 開放厳禁 (pro.Kabco)


トウキョウトガリネズミは他にもいっぱい曲出てる

以下、私が好きなトウキョウトガリネズミ楽曲シリーズ。


MC松島 - デトロイト・テクニック・パーティ feat. SPIN MASTER A-1 (pro. DJ Oni)
02:48 からがこの曲の本気。



マジワル - WhaleBeats
柔らかい言葉遣いで韻を踏んでくれるので辛い気持ちのときに染みる。
ファックファックみたいなヒップホップばっかり聴いてないでたまには優しくて人を傷つけないヒップホップも聴きなさい。



diz - ちいさな
これも優しくて人を傷つけないヒップホップです。素朴に生きようね~という曲です。MVぐねぐねしてて印象深い。

ちなみに

生物学的にはトウキョウトガリネズミは北海道に分布するネズミで、世界最小の哺乳類とのことです。ややこしいよね。生物の命名ってそういうとこあるから。レーベル創設者のMC松島さんが札幌を拠点にしてる人なので、「トウキョウという名に反して北海道のレーベル」という認識で大丈夫だと思います。

私は星野源が怖い

この世には余りにも私の欲しいものがなさすぎるというか惜しい、惜しいんだよ、あと数ミリ数センチの私のニーズになぜおまえらは応えてくれないんだ?と歯噛みすることがままあって、したらば私もクリエイター側に回るしかない。

創作の原動力について、星野源はかく語りき。

「本当はアウトプットしないで生きていけたらいいと思うんですけど。どうしてもそうしないと生きていけない感じがあって。面白いものを作るぞっていう人たちが集結して、頑張って作ったものを見ると、物凄く元気が出るんです。自分もそういうものを作っていきたいなと思うし、そういう風に思ってもらえたらいいなあと」

星野源『情熱大陸』で闘病の日々語る「辛いことの中には、意外と面白いのが混じっている」 - Real Sound|リアルサウンド

しれっと引用したけれど私は星野源が怖い。歌がうまい、音楽をつくれる、踊れる、演技ができる、文章を書ける、アニメを観る、ドラマも観る、映画も観る、今挙げたすべてについて即興で喋れる(ラジオができる)、ユーモアもある、人あたりがよい、闘病の過去もある、顔も悪くない、身長もそれなりにある。こんな存在が脅威以外の何者だというのか。「星野源、いいよね」じゃないんだよ。恋ダンスに沸いてたやつら、恋ダンスを踊ってみて自分も一瞬でもその流れに便乗できたと思ってる奴ら、おまえらわかってんのか?逃げ恥でただガッキーの可愛さに萌えていたやつらも、わかってんのか?人類はガッキーの後ろで脇役然として慎ましやかに微笑んでいた他でもない星野源に畏怖を抱き彼について考えなければならなかったのだ。僕/私は星野源に対して正対できる存在であれるだろうか、と。


さて、私が最近つくったものです。

1. ナマコパーカー

ナマコは可愛い。可愛いものはグッズにして持ち歩きたい。しかしナマコグッズはこの世に絶対数が少なすぎる。自分で作るしかない。

PCで透過ナマコ画像を描いた。持ってて良かったペンタブレット

TMIX は渋谷のオフィスにワンルームショールームを持ってて、せっかくなので……というかやっぱりテキストと写真だけじゃ素材感とサイズ感わからないですわと思って、ショールームにお邪魔してきた。試着もさせてもらえてハッピー。TMIXさんおせわになりました。

2. おくすり手帳

おくすり手帳とは。


自分が使っている薬の名前・量・日数・使用法などを記録できる手帳です。副作用歴、アレルギーの有無、過去にかかった病気、体調の変化などについても記入できます。

「お薬手帳」活用のススメ|処方せんをもらったら|日本調剤 お薬手帳ってなに?

表記については「おくすり手帳」派と「お薬手帳」派でゆらぎがあるが私は「おくすり手帳」を断然推す。なぜなら「お薬手帳」は一文字だけひらがなでダサいからだ。ダサいのは悪。

天は二物を与えずどころか何物も私から奪った上で産み落としやがりまして、おかげさまで病院を股にかけて常用薬をもらいに走る日々、なので薬剤師さんから「おまえー!おまえみたいなのはなー!おくすり手帳を持たないとなー!おまえー!」という無言の圧力を受けるのにも飽きて導入を試みるが、薬局でもらえるおくすり手帳というのはあまりにも華がない。ないんですよ。その華のなさといったら、私のサブカル女力をもってしてでもサブカルオシャレに昇華させることはできないほどの。

このおくすり手帳、実際には薬局で薬を受け取るときに、薬の名称・用法・用量の一覧を印刷した紙やらシールやらを貼ってもらうだけの手帳なので、自作しても大丈夫、とのこと。厳密には副作用歴とかアレルギー歴とか書く欄を設けておけよとかいろいろある。日本薬剤師会さんは今は電子化もといアプリ化の流れを推し進めてるみたいだけど、しゃらくさいのでアナログでいきましょう。私は手帳というものにテンションが上がるタイプの人間なんだ。


無印良品でA6サイズのノートを買ってくる。


▲沖縄に住むデザイナーヨナハアヤのSUZURIでステッカーを注文する。


▲これをこうしてこうじゃ!


▲いいですか、百均にはおくすり手帳カバーが売っているのです

おくすり手帳はすべからく体調悪いときに使うのだし、薬剤師さんにも見せるものなのに、思ったよりDEATH NOTEっぽくなってしまった。しかしながら黒地に白文字が書かれているというだけでDEATH NOTEキリスト看板に見えてしまう病はもしかしたら20XX年世代だけかもしれない。

3. 小物入れ


▲一枚の革ぎれぺろん


▲四隅に穴を開ける


▲縫って終わる(雑)

クリームやら目薬やら細々とした物、そう、KOMONO、小物をテーブルの上に放置していたのだけど突如としてムカついてきたのでレザークラフト道具一式取り出してきて作った。所要時間40分。こんなふうに買うほどでもないものを自分でサッと作れたとき、能力があって良かったなと思う。交通費の削減。

4. 下敷き


▲何の愛想もない下敷き

買うほどでもないシリーズ、下敷き。ポリプロピレンの一枚板があったのでカッターで切り出して事なきを得た。

5. ブックカバー

あらゆる厚みに対応できるようになってるブックカバーが欲しくて、売ってはいるのだけど、裏表紙側のベロが台形だとそれだけで読んでる最中に外れやすくて困る。作る。


▲表紙側


▲裏表紙側


▲厚さ1〜3cmに対応できるように遊びを取る

しおり紐も付けたかったんだけどあの一般的なしおり紐はほつれてくるからなぁどうしようかなぁと迷って本体を先に作り上げてしまった。なにかいいしおり紐があれば後付けする。

切り口の黒い液剤、はみ出しまくってとても悔しい。でも既製品でも結構はみ出していることを私は知っている。

「明るい色のレザーで切り口だけ暗い色」というデザイン、ここ数年で流行ってる気がする。発端はどこのブランドなんだろう。私の中では「サマンサタバサっぽい」という印象がある。

[セット品] ギフトラッピング済 サマンサタバサ サマンサ シュエット シンプル トートバッグ ブランド バッグ ハンドバッグ (ピンク)
【セット品】& chouette &シュエット サピアノ2つ折り かぶせ長財布 レディース サイフ さいふ サマンサ (長財布、チャーム) ((ハートチャーム) ホワイト)

コーチは柄が強いから切り口は強い色にしにくくてそういうデザイン少ないのかな。

[コーチ] COACH バッグ (トートバッグ) F57487 チョークマル SVCAH ペブルド レザー レディース [アウトレット品] [並行輸入品]

男性ものでは全然見ないので女性もの特有のデザインなのかも。ところで電車で男性が使い古したビジネスバッグ持ってるとグッと来るね。

アニメ『龍の歯医者』の考察メモ

ありがとう僕の龍の歯医者

長編アニメ『龍の歯医者』を舞城王太郎ファンが観るとこう考察できます、のメモを残しておきます。
後世に語り継がれる作品になるといいなぁ。

以下、特に明記のない引用は
NHKアニメワールド 龍の歯医者 スペシャル 「龍の歯医者の世界とは」
の設定資料集が出典。

龍とは

龍=人間の心

常に空を飛び続けており地上での姿を見た者はいません。

=人間の心は誰も直接見ることができない

巨大な口に並ぶ三列の歯が特徴で、この歯こそが龍の力の源であり唯一の弱点でもあります。

=人間を動かしているのはその心であり、止めるのもその心である

龍は歯で鳴(泣?)くんだ
――劇中 野ノ子 セリフ

=人間が感情を露出させるとき、それは心から出てくるもので、頭で考えられたものではない

(↑このセリフは

逆のことはあっても、愛情によって言葉は演出されない。
――『好き好き大好き超愛してる。舞城王太郎

を彷彿とさせて思わずよだれが出る。)

虫歯菌とは

虫歯菌=人間の感情

各虫歯菌は人間に起こりがちな感情の種類や心の動きの見立てではないかと。

ヨナキ虫 (中略)夜中に走り回り日の出にはどこかに消えてしまう。

=夜になると湧いてきて朝になると消える鬱

アブク虫 歯の中で最も多く見られる虫歯菌。湧き出す泡の様に増え歯医者たちの手を焼かせる。

=日常的に生まれる雑多な感情

ヒカリ虫 歯の表面に現れ辺りを照らす虫歯菌。基本単独で行動し群れで見つかる事は非常に稀。

=ぽっと生まれるポジティブな閃き

ヤジリ虫 (中略)不用意に触ろうとすると刺してくる事があり注意が必要。

=自分を責めて傷つけようとする感情

カブリ虫 動物の様に懐いてくる大型の虫歯菌。激昂すると姿を変え襲ってくる。

=自分の感情が思いもよらない方向に変質することがある

天狗虫 人を襲う強力な虫歯菌。歯の中を自在に動き回る力を持っている。

=自己中心的な考え

龍の歯医者とは

感情は良くも悪くもその人間に影響を及ぼす自家中毒の性質を持っている。「自分は今落ち込んでるなぁ」と自覚できたなら原因を探って除去できるのが一番いい。

龍の歯医者=生まれた感情を処理してくれる/救ってくれる存在
それは例えば友人や恋人、家族。

ニョロリ虫 (中略)近寄ると絡みついて歯医者たちの作業の邪魔をする。

=助けてくれる周囲の存在に対して抱くネガティヴな感情

ムクロ虫 死骸を食べる虫歯菌。食性が判明している、という点で菌の中でも変わり種である。

=大切だった誰かの存在であれ最後には忘れ薄れていく

龍の歯医者になるためには特別な試験を受ける必要がありますが、通過できる者は極まれです。

=人間は誰とでも仲良くなれるわけではなくて相性がある

こいつとなら仲良くなれるかも、という期待から始まる人間関係もある。

少女は選んでここに来た。
――龍の歯医者 キャッチコピー

=龍を助けてあげたいという意思をもって龍に関わる者が野ノ子

少年は選ばれてここにいる。
――龍の歯医者 キャッチコピー

=龍側の助けてほしいという意思で龍に関わらされる者がベル

龍の歯医者たちは特殊な道具をいくつか使用しますが、その代表的なものが「龍爪」と呼ばれる仕事棒です。龍の爪や皮膚から作られたもので、龍の力を宿すため虫歯菌への攻撃に有効です。

=自分の心から生まれた感情を処理するには自分の力が不可欠

但しこれは龍の力の一部であり、龍から離れるとその力は失われてしまいます。

=自分の感情が他者に影響を及ぼした後に処理/吸収をしてそれを無かったことにするのは不可能である


考察終わり。


清水富美加さんの声優よかった。あんな声をした方なのね。
後編最後のベルの独白が舞城節で、舞城ファンとしては大満足だった。
後編のベルは臆病すぎて観ててイライラしたけど。野ノ子に笑いかけられただけで頬染めるのはチョロすぎ。

あっあと後編最後の「美しい…」ってやつも『好き好き大好き超愛してる。』で同じテーマを扱っててよだれが出ました。

(こっそり追記:

虫歯菌の、特にヒカリ虫が『好き好き大好き超愛してる。』に出てくるASMAを思い出させるし、柴名の「生きている以上、いつも何事かを決めるんだよ」というセリフは舞城の短編『みんな元気。』で同じテーマを扱ってるし、ベルの最後の独白の馬のモチーフは舞城が『山ん中の獅見朋成雄』や『獣の樹』で使ってるし、舞城ファンの私は『龍の歯医者』の中に舞城要素を見つけてよだれを垂らす。ネットでこのアニメの感想を読み漁ってるいると、エヴァファンはエヴァ要素を見つけてよだれを垂らし、鶴巻監督ファンは鶴巻要素を見つけてよだれを垂らし、つまり〈このアニメに関わった誰か〉ファンは〈このアニメに関わった誰か〉要素を見つけてよだれを垂らしている。嬉しい。それぞれの要素を潰さないよう絶妙なバランスで成り立っている。ありがとう僕の龍の歯医者。)

このアニメ『龍の歯医者』長編版は、ただいま準備中の小説シリーズ『龍の歯医者』で描かれる大きな物語の、ほぼ冒頭、主人公野ノ子の長くて短い歯医者人生が始まって半年目くらいのところで起こるお話です。
――NHKアニメワールド 龍の歯医者 制作にあたって 原作・脚本 舞城王太郎 より

小説シリーズ超楽しみ。

龍の歯医者が激アツだったあなたには舞城の小説『SPEEDBOY!』がおすすめ。
オムニバス形式で舞城文体に慣れてなくても読みやすいと思うよ。

親にも兄にももっとうまく生きてほしかった。苦しいならば逃げてほしかった。嫌ならば拒んでほしかった。仕事、生活、家族関係を含む人間関係、あらゆることを気軽に拾ったり捨てたりしてほしかった。ひたむきさは必ずしも善ではないのだと気づいてほしかった。自分の理想と世界のありかたの違いに刃向かわずに納得して身を引いてほしかった。とにかく楽になってほしかった。私がこの家に火をつければそれで丸ごと解決する気がしていた。不完全な家族に納得できない私ごと消えてしまうことが世界のためになると思ったのでした。

実家でどう振る舞えばいいのかわからない。あの頃と同じように父と母と兄の仲を取り持とうとすればいいのか。それがうまくできなくて悲しかったなぁ。あの人たちに対して私ができること本当に何もなかったなぁ。ずっと一緒に暮らしてきたんだから、私ならあの人たちになにかいいものを与えられると思ってたのになぁ。

父親が言った「こんな娘より言うことをきく犬の方がよっぽど可愛い」がずっと忘れられない。私が父親の言う通りにちゃんと動いていれば、父親はニコニコで母親に当たり散らすこともなくて機嫌のいい母親に兄たちもニコニコだった?全部私が悪かった?まだその可能性が捨てきれない。こんなの一生捨てきれない類の後悔だ。父も母も兄もきっと私より先に死ぬのに、私だけが、選ばれなかったチケットに憧れ続ける。

私が幸せになることが一番の親孝行だよってみんな言うけど、父親も母親もそもそも私に結婚なんてさせずに一緒に暮らしていてほしかったのではないのか?それを断る権利が果たして私にあったのだろうか?育てられた恩ってやつはどこまで有効なのだろう?

午前5時に水辺で飲む缶コーヒーのおいしさを君は知っているか

こちら、 釣り Advent Calendar 2016 18日目の記事です。現役ではないけれども「釣りと私」をテーマに一筆。

✳︎ ✳︎ ✳︎

1. 豪華な魚のエサ

小学校低学年の夏休みは、祖父と父と兄と私の4人で池や沼に釣りに車で出かけていた。

片手で数えられるほどの年齢のいたいけな女児が釣りというアウトドアアドベンチャーに同席するにあたって最大の難関は生きエサ、もといウネウネした生き物である。例えばユムシユムシを知らないからといってGoogle検索をするのは止めておくのがよろしい。You should 無視、ユーシュッドムシ、略してユムシ。これがユムシの名前の由来である。嘘である。

幸運なことに、祖父や父のするヘラブナ釣りはジャガイモに魚が好みそうななんらかの成分を混ぜこんだ練りエサを使うし、兄のするブラックバス釣りはルアーを使うしで、私はウネウネクネクネモニモニキモチワルイ生きエサというものに対峙する必要はなかったのだった。

練りエサの存在を知っているせいでマッシュポテトをつくっているとヘラブナの生臭さを思い出すし、ポテトサラダに対する評価も「豪華な魚のエサ」なのだけど、他者に嫌われそうなので人前で言ったことはない。

2. 世界の終わり

石川県のK潟という干潟に連れていかれる日はなぜか決まって曇天で、昼間でも薄暗くて、土地の性質なのか常に湿った砂利道は踏みしめるとにちゃにちゃと音がする。釣り人もパッと見では全然いなくてファンタジーで見る世界の終わりの風景みたいだった。

近くにあった、土ぼこりが店中に舞うそこそこ広い釣具屋。これもまた世界が終わりかけてる最中に荒涼とした土地で細々と商売をしてる感があって、どえらい場所だな、と幼いながらに戦々恐々。

もしかして富山県民の私が抱く石川県に対する「石川県なんてなぁ!」という“コンプレック
to都会・金沢from富山県民”はこれが原体験なのだろうか?
新幹線駅・金沢とかって調子乗ってるけど発展してるのは金沢駅前だけでちょっと外に出たら全然田舎だしそもそも駅周りだって大したもんないでしょうよ的なあれは、そういう?

3. 白くてでかい鳥

一番よく行っていた、富山県のY池のコンクリートで整備された足場は魚巣ブロックといって魚が棲めるように空洞が開けられていて、そこに練りエサをつけた糸を垂らすとブルーギルがぽんぽこ釣れる。本当に垂らせば百発百中で釣れるのでぽんぽこって感じなのだ。

ブラックバスしかりブルーギルしかり名前ほどブラックでもブルーでもなくてグリーンじゃん、と思いながら、釣ったブルーギルは自分の背部に投げる。日の下にブルーギルを晒しておくとサギだかなんだかの白くてでかい鳥が食べに来るのだ。

白くてでかい鳥は神々しい。
反してブラックバスブルーギルも害魚。食害の罪は重いらしくキャッチした彼らは三途の川にリリースするよう推奨されている。

ブルーギルを釣っては白くてでかい鳥に献上する私はさしずめブルーギル専門ジャック・ザ・リッパー。ようよう、おまえら可愛い顔してるけど鳥に喰わせちゃうぜ。ぽんぽこ、ぽんぽこ。

4. エメラルドマウンテン

夏休みの平日、父が仕事の日は、兄は家から一時間半かけて自転車でY池に通っていた。私も同じく自転車で一時間かけて国道8号線を上り下り県立図書館に通っていた。

遠いとは思わなかった。あの頃、自転車に乗りさえすればどこにでも行けると思っていた。
今だってどこにでも行けるけど、日焼けや人目、交通手段による効率の悪さを無視して自転車に乗るには、それらを気にしないように気をつけなければいけない。知らず知らずのうちに、努力が必要な部類の行動になってしまった。私は大人になった覚えはないけど、あの頃と同じように子供で居続けているわけでもない。

二人並んで竿を並べていたはずの祖父と父の間に昔から確執があることを母から教えられたのは私が十代になってからで、そういうことは自我が芽生えた時点で先に教えておくか、もしくは一生教えないかで徹底してくれよと戸惑った。

教えるなら教えるで思春期の多感な時期にやめろっつうの、と祖父・父・母の全員が他人みたいに見えもしたけれど、釣りという共通の趣味が祖父と父の間をぎりぎり橋渡していて、兄と私が無邪気にそれを眺めていられた時間の存在は、けして悪いことではなかったよな、と今では思う。

午前5時、池の向こう岸に茂る木々のシルエットと、薄曇りの空にぼんやりと光り始める朝日。霧で白く煙った水面に魚の影を待ちながら飲む缶コーヒーのおいしさは何物にも代えがたい。

今もコーヒーを飲む時に植物や土の気配を感じる瞬間があるのはきっとそのせいで、スタバのキャラメルマキアートも喫茶店のサイフォンで淹れたホットコーヒーも大好きだけど、あの頃のジョージアエメラルドマウンテンの味がずっと私の中では特別なのだ。

5. 兄とダンボール箱

さて、当時の兄と私で揃って愛読していたのが、コロコロコミックで連載されていた釣り漫画『スーパーフィッシング グランダー武蔵』。

この漫画の影響力といったら絶大で、ルアーを狙い通りの場所に仕掛ける練習として床に小箱を置きその中に落とす……という釣り業界でいう“素振り”の方法を兄に教え、家の廊下に点々と謎の段ボール箱を置かせ、私たち家族がリビングからトイレに向かうのを阻害させたり、魚を水に上げる瞬間に「フィーッシュ!」と叫ぶ習慣を兄に植え付けてくれたりした。

かくいう私も魚を釣った瞬間は口に出さずとも心の中で「フィーッシュ!」と呟いていたし、成長し今は叫ばなくなった兄もきっと同じように外には聞こえない「フィーッシュ!」を唱え続けているのだと思う。多分。いつまでも子供っぽいところあるからな、あいつ。

最近観た映画『ブルース・ブラザーズ』『この世界の片隅に』

ブルース・ブラザーズ

俊敏なデブと無口なノッポの兄弟がバンド結成してわちゃわちゃする映画。R&Bの名曲達のmixをミュージカル風のMVで観てた気分。立川シネマシティの爆音上映で観て良かった……!

ジェームス・ブラウンに似とるやつおるなと思ったら本当にジェームス・ブラウンだった。あいつ、あんなチャーミングな演技ができるのか!人格ぶっ壊れてるし映画に出てたことに驚き。

その他、映画に浅薄な私でもスタッフロールで見たことのある名前を見つけられてわいわい。レイ・チャールズとかツィギーとか。そしてこの映画は莫大なお金かかったんだろうなとぞわぞわ。

曲が毎回楽しい。特にショッピングモールでカーチェイスしてる時の『I Can't Turn You Loose』と、レストランでの『Think』。

どっちも知ってる曲だったのかなーフルで聴いたの初めてな気がする。もしやオリジナルがこの映画なの?"I Can't Turn You Loose" is a song written and first recorded by American soul singer Otis Redding.とのことなので違うな。Thinkも違うな。『I Can't Turn You Loose』、ラジオのジングルかなにかで使われてた気がするんだけどなんだっけ。

この時代のR&Bバンドの曲もっと知れたら幸せになれる予感がある、『Can't Take My Eyes Off You』もそうだし、掘るべきは60年代のビッグバンドとかロックかなぁ。

終盤のエレベーターのシーン、静と動の対比ギャグでまた『ナイト・ミュージアム』を思い出す。いやー『ナイト・ミュージアム』も『ブルース・ブラザーズ』もエンターテイメントの傑作よねぇ……。

カーチェイスシーンのたびにヒーッ怖!はよ終われ!てなってしまうのは私が自動車免許を持ってないうえに結構な頻度で車を運転する悪夢を見てしまうからだということに思い至ってげんなり。自分がどんな悪夢を見るかなんてこと数えたくなかった。

この世界の片隅に

説明的ではない創作物って貴重で、特に戦争映画は押しつけがましいくらいに平和だなんだを唱えてくるから苦手なんだけどこれは戦争がテーマなだけの紛れもないエンターテイメント。

映画の中で「その映画を通して伝えたいこと」を直截的に語るのはあまりにも馬鹿げているなと常々思っている。

極論を言えば、例えば「戦争は良くないです」を主張したいならプラカードに同じ文言書いて道を練り歩いたらいい。でもそうしたくないから映画という手段を選んだんじゃないの?映画という手段をわざわざ選んでおいて、キャラクタに「戦争はよくないです」って喋らせるのは本末転倒じゃない?「戦争はよくないです」っていう一言では到底伝えきれない事情/雰囲気を長い長い物語をつくることで表現したかったんじゃないの?

なにかを語る時それを的確に伝えるために物語が必要になる、というのは私の大好きな小説家である舞城王太郎がたびたび作中で言っていて、というかたぶん彼が一生向き合い続ける大きなテーマのひとつ。『この世界の片隅に』に対して私はうんうん舞城の言っていた物語ってやつがまたこの世に生まれたねと感激する。

ムチャクチャ本当のこと、大事なこと、深い真相めいたことに限って、そのままを言葉にしてもどうしてもその通りに聞こえないのだ。そこでは嘘をつかないと、本当らしさが生まれてこないのだ。涙を流してうめいて喚いて鼻水まで垂らしても悲しみ足りない深い悲しみ。素っ裸になって飛び上がって「やっほー」なんて喜色満面叫んでみても喜び足りない大きな喜び。そういうことが現実世界に多すぎると感じないだろうか?
―『暗闇の中で子供』舞城王太郎

言いたい真実を嘘の言葉で語り、そんな作り物をもってして涙以上に泣き/笑い以上に楽しみ/痛み以上に苦しむことのできるもの、それが物語だ。
―『暗闇の中で子供』舞城王太郎

例えば柿緒が逝ってから僕が発表した短編『光』なんかは日常の延長としてくだらないことが起こったりつまらないギャグが挟まれたりバカバカしい間違いをいろいろやっちゃったりしているはてにも不意に死は訪れたりする、ってことや、あるいは逆に死が待ち構えている時間の流れの中でも人はやはり日常の延長としてくだらないこと、つまんないギャグ、バカバカしい間違いをしてゲラゲラへらへら笑ってたりするのだ、ということを書いていて
―『好き好き大好き超愛してる。舞城王太郎

「戦争はよくないです」を語るために『この世界の片隅に』は戦争の最中を暮らす人々を描く。キャラクタが戦争の是非を語る場面なんか一切ない。そんなことを口に出せばすぐに非国民となじられる時代だったらしいから、実際もそうだったのだろうと思う。「誰の口からも聞かれなかった」という事実が、今の時代の私になによりも雄弁に語る。人々を脅し震えさせ怖がらせるんだから戦争なんて良くないぞ、と。

すずが泣きながら言うあのセリフ(ネタバレしたくないので書かないぞ)は、戦争を続けていたかったのに、という好戦的な意味で言ったのではなくて、大事なものを失ってでも耐えてきた私の覚悟は一体どうしたらいいのか、という憤懣だった。義母も義姉もあっさりと敗戦を受け入れたように振る舞っていたけどもちろんそんなことはなくて、みんな心のうちはすずと一緒だった。国にとっては「負けましたハイ終わり」だけど、人々が失くしてしまった大切だったなにかは二度と帰ってこないのだ。

ところでこの映画のラジオCMのすずのセリフ喋ってるの、綾瀬はるかに聞こえませんか。綾瀬はるかまた朝ドラでも出るのかなと思ってた。

あとラジオで町山智浩さんが喋ってたやつとても良かったのでぜひ。

町山智浩 『この世界の片隅に』徹底解説 http://miyearnzzlabo.com/archives/40487

ネタバレあるので観た後に読むのがおすすめだけど私は観る前に読んで観た後にも読んでハッピーだった。